家族への手紙
by orsomare


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The place I long for

9年前までニューヨークに住んでいた

テレビの仕事をしていて 何時に帰れるかわからない毎日だった

日もどっぷり暮れて疲れ果て やっとオフィスを出ても
家に帰りたくない日があった
友達に会いたいわけではなくて
大好きなボーイフレンドもいたけれど

疲れてるけど 一人になりたくない
そんなときはアルベルトに会いに行った
ロブスター料理を得意とする バスク料理専門店 
チェルシー地区にある

入ってすぐのところに 席を待つ人がお酒を飲んで待つカウンターのあるバーがあって
そのバーのレストランに一番近い隅っこの席に座って
フライドシュリンプかエスカルゴと 輪切りの生たまねぎと
すっぱいドレッシングのかかったサラダを食べながらワインを2杯くらい飲んだ
その席だったら接客の合間にマネージャーのアルベルトと話をしたりもできた
お店の人は皆顔見知りだったから バーテンダーに相手をしてもらったり
酔っ払いやナンパ(っていうのか?今)から守ってもらいながら
テレビを見たりして それから満足して タクシーを拾って家に帰った
働いている人はメキシカンが多かったから 
テレビではいつも彼らの好きな サッカーか野球がやっていた

大学卒業後最初の仕事は フジテレビのスタッフの仕事だった
目覚ましテレビという朝の番組で Oh My NY! という枠で 
生中継と取材ビデオでニューヨークの話題を放送していた
このレストランも取材先で 生放送のときに持ってきてくれたお料理がのったお皿を
後日私がレストランまで返しに行くことになった
ディナー開店前の静かな店で アルベルトが一人食事をしていた
仕事で悩んでいた私の話を聞いてくれて 救われた
以後 ふらっと一人で行くようになった

アルベルトは私の両親と同世代くらいだと思う 年齢を聞いたことはないけど
前妻との間に私と同世代の子供が二人いる
ペルー人のローザと再婚して (アルベルトはスペイン人) 娘が出来た

私がロスに越してくる前の1年間ほどは 
アルベルトたちのアパートのそばに住んでいたこともあって よく夕食にも招いてもらった
私の大好きなトルティージャ(ジャガイモの入ったスペイン風オムレツ)を
いつも作ってもらった
彼は絵を描くので 美術を専攻するためにアメリカにきた私とは話も合ったし
好きなことを自分のために続けていく彼を尊敬もしたし 応援したかった
レストランの奥の壁一面を埋めるほどの大きな絵は彼が描いたものだった

まだ20代の小娘が一人でのんびりお酒を飲める場所がニューヨークにあって
私は本当に幸運だったと思う
どんなに忙しくてもいつも笑顔で 暖かく迎えてくれた

今日 仕事の帰り道 そんな気持ちになって 思い出した
でもそんな場所は今の私にはないし 家ではオーソが待っている

今年 私の誕生日に電話があった
たぶん去年もその前も そんなふうに1年に1回くらい電話をくれる
ロスに来てからは一度も会っていない

ロスに来てすぐ一緒に暮らしだしたオーソも 今月で9歳になった

明日は電話をしてみようと思う
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by orsomare | 2011-12-31 14:29 | etc